スケール除去 | 事例06 冷却塔にオーバーフローが必要なくなりコスト減!
オーバーフローは、土壌汚染や水質汚染の原因となります。多くのクーリングタワーは、スケールの問題に対処するために薬剤を使用しています。ただし、これらの冷却塔は運転中に水が蒸発し、薬剤の濃度が上昇するため、定期的なオーバーフローが必要です。この問題を解決するために、薬剤を一切使用しないアクアクリスタルリング(以下ACR)をご紹介いたします。
事例の概要
■相談内容
冷却塔にさびが見られ、さびを止めたいとの相談がありました。
設置場所 | 大阪府 / 金属工場 |
設備 | 小型クーリングタワー (冷却塔) |
ACR設置後
設置6ヶ月後、お客様よりACRの情報を頂きました。
効果1.冷却塔のさびが止まった
ACRによって、水が改善され透明になり、底に溜まっていた赤色のさびがほとんど見えず、スケールも取れてきていることが上の写真で確認出来ます。このあと水槽に貯まったスケールと汚れを取り出すことが必要になります。
冷却塔のさびが止まったということは、防さびが効果的に行われていることを示しています。設備の機能を高め、冷却塔の寿命を延ばし、運用の安定性を確保できます。
効果2.水がきれいになった
循環水をペットボトルに入れ、3~4分静止すると汚れが沈殿しました。ACR設置後の循環水と水道水を比較しても、その澄んだ水質が明確に確認できます。沈殿物は、ACRによって剥がれた汚れが沈殿したものになります。
効果3.オーバーフロー不要
ACRの設置当初に効果が現れませんでした。今までのメンテナンスを継続して、上の写真のように水を放出し続けていたことが原因でした。
ACRには、オーバーフローは必要ありません。
ACRは循環する水を通して冷却塔のスケールやさびを防止します。ACRの導入によって水質の改善、オーバーフローを止めることでACRの効果が発揮され、水質を維持し、熱効率の低下を抑えます。
水質検査の結果
以下に、ACRを設置する前後の循環水の水質検査結果を比較した表を示します。水質の変化を視覚的に確認できるように整理しています。
結果1 : さび防止の効果が明確
酸化還元電位が410mVから251mVに低下したことにより、銅の数値が1.5から0に減少し、配管などのさび防止効果が実現しています。さらに、熱交換機などでのさびも止まったと推測されます。このような水質の改善は、ACRの導入による重要な成果であり、冷却塔の信頼性と耐久性を向上させます。
結果2 : 配管等の汚れが溶け出している
電気伝導率が20.4 ms/mから46.8 ms/mに上昇したことから、配管などの汚れが循環水に溶け出していると推測されます。この変化は、ACRの効果により、冷却塔内の汚れが落ち、水質が向上した結果と言えます。水質の改善は、設備の効率性と持続性を可能にします。
結果3 : スケール除去が進んでいる
シリカの濃度が10mg/L未満から20mg/L以上に増加したことから、ACRによりスケールが溶け出してスケール除去が進行中であることが示唆されます。ACRの効果により、循環水のスケールが効果的に取り除かれつつあり、水質の変化が観察されています。
まとめ
薬剤使用している冷却塔には、オーバーフローが必須で、水道水・工業用水・地下水を多く使用しているため、コストが掛かり、環境汚染につながっています。
一方、ACRには、オーバーフローが必要ありません。
また、ACRの導入は、スケールやさびを防ぐだけでなく、薬剤などのコストを削減できます。薬剤コスト、水を交換するための費用を削減、定期的な清掃作業のコストを軽減できることが、ACRの環境への貢献と経済的なメリットです